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牧野 隆正*; 津田 泰孝; 吉越 章隆; Dio, W. A.*; 岡田 美智雄*
Applied Surface Science, 642, p.158568_1 - 158568_6, 2024/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)To study the elementary steps in the Rochow-Muller process, we bombarded Cu(111) and Cu(410) with 0.7-1.9 eV supersonic molecular beams (SSMB) of CHCl. We then identified the corresponding adsorbed species using X-ray photoemission spectroscopy (XPS) in conjunction with synchrotron radiation (SR). We found Cl as the dominant adsorbed species (much higher than that of adsorbed carbonaceous species) coming from the dissociative scattering of CHCl. We also found that the threshold kinetic energy of the reaction depends on the crystal surface orientation.
寺澤 知潮; 松永 和也*; 林 直輝*; 伊藤 孝寛*; 田中 慎一郎*; 保田 諭; 朝岡 秀人
Vacuum and Surface Science, 66(9), p.525 - 530, 2023/09
Au(001)表面は擬一次元周期性を持つHex-Au(001)に再構成することから、この表面にグラフェンを成長させると、その周期性がグラフェンの電子構造を変化させると予測された。特に、グラフェンとAuの軌道混成により、グラフェンにバンドギャップやスピン偏極が導入されると考えられていた。本研究では、Hex-Au(001)表面上のグラフェンの角度分解光電子分光と密度汎関数理論計算の結果を報告する。グラフェンのDiracコーンとAu 6sp軌道の交点に0.2eVのバンドギャップが観測され、バンドギャップ形成の起源がグラフェンのDiracコーンとAu 6sp軌道の混成であることが示された。この軌道混成の機構について考察し、グラフェンのDiracコーンへのスピン注入を予想した。
保田 諭; Dio, W. A.*; 福谷 克之
Vacuum and Surface Science, 66(9), p.514 - 519, 2023/09
原子層材料の代表である単層グラフェンは、近年、水素イオンと重水素イオンを透過するだけでなく、これら水素同位体イオンの高い選択透過性を有することが知られている。このため、シリコン半導体、光ファイバー、創薬、核融合といった分野における水素同位体ガス濃縮材料としてグラフェンが利用できることが期待されている。しかしながら、その重要性にもかかわらず、実験研究は依然として不足しており、分離メカニズムについては未だ議論が続いている。本研究では、ヒドロンの量子トンネリングがどのように起こるかについての最近の発見を紹介する。
山本 風海; 荻原 徳男*; 倉持 勝也*
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 21(4), p.359 - 364, 2023/07
イオン加速器では、ビームの加速効率の向上、ビーム電流の蓄積等を目的に、イオンの価数を変換する手法(荷電変換手法)が良く用いられる。荷電変換はイオンビームと薄膜等の物質との相互作用で行うが、加速器の大強度化に伴い、ビーム負荷に耐えるターゲットの開発が必要となっている。真空中で破損しない薄膜として、エタノールおよび水銀の流体を検討した。これら二種の液体を真空中で流し、安定に膜を形成することを確認した。成膜中の圧力は、各液体の蒸気圧に近い値となった。エタノールに関しては、さらに良い圧力を得るために、低温下での蒸気圧の評価を行った。水銀に関しては、水銀蒸気を拡散させないトラップを開発し、98%以上の捕集効率を得られることを確認した。
神谷 潤一郎; 高野 一弘*; 和田 薫; 柳橋 享*
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 21(3), p.144 - 153, 2023/06
J-PARC加速器等の超高真空装置の到達圧力は、表面から熱脱離する吸着気体分子量と材料内部の気体分子成分の表面への拡散・放出量で決まるといわれている。先行研究ではvacuum firingとよばれる高真空下での高温熱処理により材料中の水素を低減できることがわかっているが、各ガス種の放出ガス量の低減効果やその原因解明といった、さらなる超高真空化を実現するために必要な研究事例はこれまでなかった。今回、超高真空材料として最も利用されるステンレス鋼について、vacuum firingの放出ガス量への効果とその機構解明を目的に研究を行った。その結果、真空容器のビルドアップ試験によりvacuum firingは各種ガスの放出ガス量を有意に低減できることがわかった。さらに昇温脱離分析と表面分析により、vacuum firingは材料中の水素の拡散放出、材料表面の各種ガスの熱脱離をさせたうえで、表面に鉄酸化膜・クロム酸化膜を形成し、それらの表面が拡散障壁ならびに再吸着防止の役割をしていること示唆する結果を得た。この結果は、今後J-PARC加速器真空システムの超高真空維持の基盤となる成果である。
神谷 潤一郎; 仁井 啓介*; 株本 裕史; 近藤 恭弘; 田村 潤; 原田 寛之; 松井 泰; 松田 誠; 守屋 克洋; 井田 義明*; et al.
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 21(4), p.344 - 349, 2023/05
原子力機構東海タンデム加速器には、40台の超伝導Quarter Wave Resonator(QWR)によって重イオンを10MeV/uまで加速するブースターリニアックがあるが、2011年の震災以降、運転を停止している。近年ウラン等のより重い核種を加速するため、タンデム加速器のアップグレードが精力的に検討され、QWR再稼働の必要性が高まっている。現在、運転時に必要な加速電圧とQ値を得るため、QWR内面荒さを低減するための電解研磨条件を検証している。一方で電解研磨はNb中水素を増加させ、水素病と呼ばれるQ値の減少を引き起こす可能性がある。真空中高温焼鈍で水素を放出させることで水素病を抑えることができるが、QWRのクラッド材を構成するNbとCuの熱膨張差による空洞破損の危険性がある。そのため表面粗さの低減とNbバルク中の水素の増加を最小限に抑えるため、研磨条件を最適化する必要がある。我々はこれまで水素吸蔵量および脱離機構を昇温脱離分析(TDS)により検証できることに着目し、研究を行ってきた。発表では異なる条件で研磨したNb材料のTDS結果、表面観察結果、表面粗さの相関について得られた成果を発表する。
小川 修一*; 津田 泰孝; 坂本 徹哉*; 沖川 侑揮*; 増澤 智昭*; 吉越 章隆; 虻川 匡司*; 山田 貴壽*
Applied Surface Science, 605, p.154748_1 - 154748_6, 2022/12
被引用回数:3 パーセンタイル:48.5(Chemistry, Physical)グラフェンのKOH溶液への浸漬により、SiO/Siウェハ上のグラフェンの移動度が改善される。これはK原子によるグラフェン修飾による電子ドーピングのためと考えられるが、このときのグラフェンに含まれるK濃度は不明だった。本研究では高輝度放射光を用いたXPS分析によりK濃度を求めた。リアルタイム観察によりK原子濃度の時間変化を求め、放射光未照射時のK原子濃度は0.94%と推定された。また、K原子の脱離に伴ってC 1sスペクトルが低結合エネルギー側にシフトした。これはグラフェンへの電子ドープ濃度が減少していることを示し、K原子はグラフェンに電子注入していることが実験的に確かめられた。
勝部 大樹*; 大野 真也*; 稲見 栄一*; 吉越 章隆; 阿部 真之*
Vacuum and Surface Science, 65(11), p.526 - 530, 2022/11
アナターゼ型TiO(001)表面の酸素空孔の酸化を放射光光電子分光と超音速Oビーム(SSMB)で調べた。超熱酸素分子の供給により、最表面及びサブサーフェスの酸素空孔を除去することができた。アナターゼ型TiO(001)の表面には、真空容器に移す前の未処理の状態では、酸素空孔が存在している。この空孔は大気中で安定であり、酸素SSMBを用いることにより効果的に除去することができる。本成果は機能性酸化物表面処理として有望である。
津田 泰孝; 吉越 章隆; 小川 修一*; 坂本 徹哉*; 高桑 雄二*
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 21(1), p.30 - 39, 2022/11
We irradiated n-Si(001) with a 0.06 eV supersonic O molecular beam and characterized the SiO surface and SiO/Si interface using real-time X-ray photoemission spectroscopy. The molecularly-adsorbed O was observed not only during the Si surface oxidation process but also during the SiO/Si interface oxidation process, suggesting that trapping-mediated adsorption occurs at SiO/Si interface as well as on the Si surface. We found a good linear correlation between the SiO/Si interface oxidation rate and the amount of molecularly-adsorbed O, revealing that the double-step oxidation loop exclusively proceeds through P-paul formation and minority carrier trapping at room temperature. The offset of the linear correlation indicates the presence of ins-paul on the SiO surface, which has nothing to do with the double-step oxidation loop because point defect generation is not affected by the volume expansion of ins-paul oxidation in the flexible SiO network.
川村 隆明*; 深谷 有喜; 福谷 克之
Surface Science, 722, p.122098_1 - 122098_8, 2022/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Physical)本研究では、多重散乱計算を用いて、Pd(100)表面上の水素の位置に敏感な反射高速電子回折(RHEED)条件を探査した。水素の散乱振幅はPdの7%以下でしかないため、水素の位置決定には、回折強度への水素からの散乱の寄与が最大化される条件を見出すことが重要となる。10keVの電子ビームでは、視射角が4以下、方位角が[011]軸から13オフのときにそのような条件が見出された。この条件では、水素の表面垂直・平行の両方向の原子変位に対して顕著な強度変化を示す。RHEED波動関数の解析から、この条件下では低次の回折波が支配的であること、またRHEED電子は新しいタイプの共鳴現象により表面近傍に局在化することがわかった。この条件でのロッキング曲線解析を用いると、水素の高さを0.2以下の精度で決定することが可能となる。この結果は、RHEEDがPd表面上の水素位置の決定に極めて有用な手法であることを示している。
関口 哲弘; 横山 啓一; 矢板 毅
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 20(3), p.186 - 195, 2022/07
Cs-135を含む長寿命核種の同位体分離に関する技術開発は放射性廃棄物の減容化および中性子照射による長寿命核種の核変換消滅の要素技術として重要である。THzレーザー光をヨウ化セシウム分子Cs(-133/-135)Iに照射することにより同位体選択的な解離反応を引き起こすことができる。しかし問題として、選択的に生成するCs-135原子は安定同位体から成るCs(-133)I分子との衝突により、同位体交換を起こす。よって我々はCs原子のみを選択的に吸蔵材料に回収し、衝突を回避する試みを検討している。Cs原子は炭素(C)吸蔵材料内の数100オングストロームの深部まで侵入する。それに対しCsI分子は材料内に浸透しない。しかし室温ではCsI分子が堆積する問題が残された。本研究では加熱によりCsI堆積を防ぐことを検討した。X線光電子分光(XPS)測定を行い、材料の組成,深さ濃度分布,膜厚を評価した。Cs蒸着後の加熱アニーリング効果およびCs蒸着中の加熱効果を調べた。CsI分子が表面に残らず、Csが炭素材料に残存する可能性について検討した。
寺澤 知潮; 福谷 克之; 保田 諭; 朝岡 秀人
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 20(4), p.196 - 201, 2022/07
グラフェンは、気体に対しては完全な不透過膜であるが、水素イオンに対しては透過性を示す。水素イオンの透過には同位体効果があり、重陽子は陽子より遅くグラフェンを透過する。しかし、この同位体効果がどのようなメカニズムで生じるのか、また、その起源はまだ不明である。そこで、超低速・単色・質量選択的な水素イオンビームを用いたイオン源を開発し、グラフェンへの水素イオン透過機構を議論する戦略を提案した。イオン源に半球型モノクロメーターとウィーンフィルターを採用し、エネルギー分解能0.39eV、質量分解能1 atomic mass unitを達成した。エネルギー的に鋭いイオンビームにより、グラフェンの透過率を高精度に直接測定できることが期待される。
Tang, J.*; Seo, O.*; Rivera Rocabado, D. S.*; 小板谷 貴典*; 山本 達*; 難波 優輔*; Song, C.*; Kim, J.*; 吉越 章隆; 古山 通久*; et al.
Applied Surface Science, 587, p.152797_1 - 152797_8, 2022/06
被引用回数:7 パーセンタイル:77.62(Chemistry, Physical)水素貯蔵材料として重要な立方体形状Pdナノ粒子の水素吸収と拡散メカニズムをX線光電子分光とDFT計算を用いて調べた。表面領域では粒子の大きさによらず、ほぼ同様の水素吸収挙動を示した。四面体サイトよりも八面体サイトの水素占有率が大きいことがわかった。表面の乱れによってPd-H結合が弱くなるため、小さいサイズのPdナノ粒子に吸収された水素原子は、より活発に粒子内部に拡散することが分かった。これが低水素圧での水素吸着に重要な役割を果たしている。
伊藤 孝
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 20(3), p.128 - 134, 2022/05
A recent muon spin rotation (SR) study on a paramagnetic defect complex formed upon implantation of pseudo-proton into SrTiO is reviewed with a specific focus on the relation with experimental signatures of coexisting delocalized and localized electrons in hydrogen-irradiated metallic SrTiO films. The paramagnetic defect complex, composed of interstitial and Ti small polaron, is characterized by a small dissociation energy of about 30 meV. Density functional theory (DFT) calculations in the generalized gradient approximation (GGA) + scheme for a corresponding hydrogen defect complex reveal that a thermodynamic donor level associated with electron transfer from an H-Ti complex to the conduction band can form just below the conduction band minimum for realistic values. These findings suggest that the coexistence of delocalized and localized electrons can be realized in hydrogen-irradiated SrTiO in electron-rich conditions.
神谷 潤一郎; 高野 一弘*; 油座 大夢*; 和田 薫
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 20(2), p.107 - 118, 2022/05
チタンは放出ガスが少ないため超高真空容器としての利用が真空装置において広がっている。我々はチタン表面の酸化膜を除去することで、チタン製真空容器自体を気体吸着型真空ポンプとして活用する開発を行っている。光電子分光測定で、チタンを真空中加熱することで表面酸化酸化物が内部へ拡散し金属チタンが真空面に露出することを明らかにした。そのうえでチタン製真空容器を加熱することで、真空封止しても高真空を長時間維持できることを実証した。別の手法として、アルゴンスパッタリングにより表面酸化膜を除去することによるチタン製真空容器の超高真空ポンプ化に成功した。大気開放による表面の再酸化を防ぐために、酸化膜を除去したチタン表面に低温ゲッター材をコーティングすることを発案した。このような表面改質を施した真空容器を用いて、10回以上の大気開放を繰り返しても10-8Pa台の到達圧力が維持できること実証した。本成果はJ-PARC加速器真空システムの安定運転維持につながるとともに、既存の真空ポンプがなくても高真空を維持することが可能となることから、持続可能な開発目標に寄与するイノベーション技術へとつながる案件である。
植田 寛和; 福谷 克之
Vacuum and Surface Science, 64(9), p.430 - 434, 2021/09
A unique molecularly chemisorption of H occurs on some stepped surfaces in addition to the typical adsorption schemes of physisorption and dissociation. In the present study, the rotational state and conversion of the molecularly chemisorbed H on Pd(210) at a surface temperature of 50 K were probed by combining a pulsed molecular beam, photo-stimulated desorption and resonance-enhanced multiphoton ionization techniques. We experimentally demonstrated that the conversion proceeds with a conversion time constant of 2s that is 2-3 orders of magnitude smaller than those reported for physisorption systems. The origins of such fast conversion and the rotational state distribution of H in molecular chemisorption state are discussed.
角田 一樹; 石田 行章*; Gdde, J.*; Hfer, U.*; Shin, S.*; 木村 昭夫*
Progress in Surface Science, 96(2), p.100628_1 - 100628_15, 2021/05
被引用回数:2 パーセンタイル:2.19(Chemistry, Physical)Topological insulators (TIs) characterized by gapless and spin-polarized band dispersion on their surfaces have been extensively studied over the last decade. This article reviews our recent works on ultrafast carrier dynamics of SbTe-based nonmagnetic and magnetic TIs by utilizing state-of-the-art femtosecond time- and angle-resolved photoelectron spectroscopy. We have demonstrated that the electronic recovery time elongated from a few ps to 400 ps in the series of (SbBi)Te. We also investigated how the magnetic-impurity affects the carrier dynamics in ferromagnetic SbVTe. It was found that the electronic recovery time drastically shortened from a few ps to 500 fs with increasing vanadium concentration. Since the lifetime of the nonequilibrated surface Dirac fermions can range from femto- to nano-second, SbTe-based TIs would be promising for ultrafast spin switching and spin-polarized current generation device applications.
小川 修一*; Zhang, B.*; 吉越 章隆; 高桑 雄二*
Vacuum and Surface Science, 64(5), p.218 - 223, 2021/05
放射光を用いたリアルタイム光電子分光法により、Ti(0001)およびNi(111)表面での酸化反応速度を観察し、酸化状態および酸化物の厚さを測定した。Ti(0001)表面が1.2nmのTiOで完全に覆われた後、400CでTiイオンがTiO表面に拡散することにより、n型TiOの急速な成長が進行した。TiO表面での酸素の取り込みが飽和しているということは、TiO表面への酸素の付着係数が無視できるほど小さく、TiのTiO表面への偏析がTiOの成長を開始するきっかけになっていることを示している。350CのNi(111)表面では、熱的に安定なNiOが優先的に進行し、その後、p型NiOの成長が始まった。NiO厚さの時間変化は対数成長モデルで表され、NiO成長はNiO表面への電子のトンネル現象に支配されている。
圓谷 志郎*; 本田 充紀; 楢本 洋*; Li, S.*; 境 誠司*
Surface Science, 704, p.121749_1 - 121749_6, 2021/02
被引用回数:4 パーセンタイル:33.7(Chemistry, Physical)グラフェンは、ナノエレクトロニクスやスピントロニクスの最も有望な材料の一つとして期待されている。グラフェンを用いたデバイスの多くは、グラフェンチャンネルが絶縁体基板上に配置されている。そのため、グラフェンと絶縁体表面との界面相互作用の研究は非常に重要である。本研究では、-AlO(0001)上に転写されたグラフェンの垂直配置を通常入射X線定在波法(NIXSW)によって研究した。NIXSWプロファイルの解析から、グラフェン層は-AlO(0001)表面から3.57()上に位置し、これはグラファイトの層間距離である3.356()より大きいことが明らかにされた。マイクロラマン分光法では、転写されたグラフェンのホール濃度の空間分布が限定的であることが示された。本研究により、サファイア基板上に転写したグラフェンを真空アニールすることで、有機化合物などの残留汚染物のない原子レベルで平坦な表面が得られ、グラフェンに正孔がドープされることが明らかになった。
豊田 智史*; 山本 知樹*; 吉村 真史*; 住田 弘祐*; 三根生 晋*; 町田 雅武*; 吉越 章隆; 鈴木 哲*; 横山 和司*; 大橋 雄二*; et al.
Vacuum and Surface Science, 64(2), p.86 - 91, 2021/02
X線光電子分光法における時空間的な測定・解析技術を開発した。はじめに、NAP-HARPES (Near Ambient Pressure Hard X-ray Angle-Resolved Photo Emission Spectroscopy)データにより、ゲート積層膜界面の時分割深さプロファイル法を開発した。この手法を用いて時分割ARPESデータからピークフィッティングとデプスプロファイリングを迅速に行う手法を確立し、4D-XPS解析を実現した。その結果、従来の最大エントロピー法(MEM)とスパースモデリングのジャックナイフ平均法を組み合わせることで、深さ方向プロファイルを高精度に実現できることがわかった。